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妄想渋谷系
1990年、私は18歳で、
28歳まで、90年代を過ごしました。
高校生の時、フリッパーズ・ギターのファーストからリアルタイムで聴いていて、
大学生になったら、マイブラとかライドとかジザメリとかストーンローゼスとかベルベットクラッシュとかヘブンリーとか、ビーナスペーターとかホワイトカムカムとかバッジー・ジャケットとか見て、ピチカートも一応行ったし、スクーターズの(一回目の)再結成ライブも行ったし、そこそこソフトロックも聴いていたから、渋谷系? なんでしょうか。渋谷系? だったのか?
クアトロで生でスチャと小沢健二さんの「今夜はブギーバック」を聴いたから、まあ渋谷系なのでしょう。
それにしてもクアトロの女子トイレって流れ悪かったよね。流れが遅くて、すぐ詰まる。お洒落した女の子たちが長い列に並んでた。「お洒落な内装にする前にトイレ直してくれ」って思ってた記憶が。

あの時期、「女子は音楽知識は浅くても良し、っていうか浅いでしょ?」という了解があり、どちらかと言えば力を入れてたのはファッションでした。買ったなあ、ボーダー服に帽子。
あと、渋谷系って痩せてないといけないっていう美学があるので、私、骸骨みたいでした。今、病気にでもならない限り、あの体重にはなれないと思います。障害物にぶつかる時、腰骨のはしから当たったものね。ガッキーン、って。 もう一回あの体重になってみたいなあ、何もかもが軽いだろうなあ。

渋谷系に関して言えることはただひとつ、
あれは渋谷にあったものでもなく、原宿にも新宿にも六本木にも東京タワーにもどこにもない
「みんなの妄想の東京」
が肥大化したものだった、ということ。
ふんわりとした、空気みたいなものだったんです。
埼玉という、半端な地方から東京に通っていたから、しみじみ感じました。
華やかな繁華街も、何にもない郊外も同じ。渋谷系はどこにもなかった。
それなりにお洒落した私が、ル・ベーをつけて、ライブに出かける時も、実感はなかった。現場感、というか。
ライブハウスのくそまずいカシスソーダを飲みながら、腕を組んでステージを見て。
そうそう、あの頃の客って、ほっとんど踊らなかったよね。フリッパーズのライブなんか、みんな、両手を握り締めて彼らを見つめてたもんね。
後ろのほうのフロアで、ワーイワーイってやってるの、私たちだけだった。

時がたち、渋谷系はとんでもなく肥大した妄想の中にあって、
リアルタイム世代としては、違和感があるのだけど、
もともと「妄想」だったんだから、今も「妄想」でも、
別にいいのかな、と思ったりもします。
いや、無かったものを「あった」と思われるのは嫌かもしれない。
なんにもなかった。当時の東京にはなんにもなかったよ。

あ、あと思い違いしてる人が多いと思うんですけど、フィッシュマンズって渋谷系の文脈じゃないからちゅうい!

(このへんのはなし、とびとびに、だらだら続くと思います。)
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